このネタは2017年の春ごろにインスタで紹介した内容を整理したものです。けっしてコバ仕上げが上手なわけでも、深いノウハウを持っているわけでもなく、代用となる道具をみつけるのが好きなだけですので、あまり参考にならないかもしれませんが、面白いと思う人には面白いと思うので、公開します。
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レザークラフト上級者の作品を見ていると、コバに蜜蝋をしみこませ、アルコールランプで温めた捻(コテみたいの)で締める・・・みたいなことが書かれており、そのピカピカてかてかに光ったコバの美しさを見て、盲目的に「お~かっこいい~」と思って自分もやりたくなりました。
しかし、その温める温度がなかなか微妙らしく、捻の表面にうっすら曇りが見える感じ・・・とか、頬に近づけてムンとする程度・・・とか書かれてました。
う~ん・・・アルコールランプを準備するのもアルコールを常備しとくのもめんどくさいし、冷めたら温めなおすとか、横着者の私には絶対に無理だな~と思いました。

電気タイプの捻も販売されているようですが非常に高価で、とてもではないですが手が出ません。

で、レザーバーニング(ウッドバーニング)用のこて
で出来るんじゃないかと思い、コントローラー(出力を弱くするやつ)も併用してやってみました。


結果:そっこーで焦げちゃいました(笑) 
そうですよね、焦がすためのものですからね。

天ぷら用の温度計で調べてみたら、コントローラーなしで260℃、コントローラーで最弱にしても190℃まで上がってました。

革が硬化する温度は、乾燥状態(含有水分約15%)で100℃+α、湿った状態では70〜80℃(クロムなめしは約90℃)、蜜蝋の溶ける温度は約65℃ですので、なんぼなんでも温度が高すぎたんでしょうね。

ためしに、アイロンを一番低い温度にして(クッキングペーパーをあてて)コバをなぞってみたら、なんかいい感じでした。 アイロンの「低」は80~120℃くらいの設定のようです。

おそらくこの程度の温度が、革の硬化する温度や蜜蝋の溶ける温度からしてもベストなんだと思われ、例の「頬に近づけてむん」ってのはこれくらいの温度なんだと思われます。

だったら、これくらいの温度になるヒーターを見つければいいということです。小さなアイロンを買ってもよかったんですが、ちょっと邪魔くさいし、かといってそれをばらして部品を取り出すのもリスクが伴います。

いろいろ模索している中で、いいものにめぐりあいました。

グルーには、低温タイプと高温タイプの2種類があり、溶ける温度は低温タイプが90℃で、高温タイプが130〜150℃とのこと。これを溶かすためのガンの温度は、低温用が140℃で高温用が200℃。ってことは、低温用のヒーターがジャストフィットしそうです。

おまけに、低温用のグルーガンは100円ショップでも売ってます(200円ですが)。
これを解体して発熱体を取り出すことにしました。

グルーガンに使われている発熱体は、コイル線ではなく、PTCヒーターです。
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PTCとは、Positive Temperature Coefficientの略で、温度が上昇するに伴いヒーターの電気抵抗が増大する特性を持った素子を使ったヒーターです。温度が上がると電気が流れにくくなり、温度が下がると電気が流れやすくなる特性をいかし、決められた温度を省電力かつ安全に実現してくれる賢いヒーターなんです。

このグルーガンから取り出したPTCヒーターをターンクリップで捻にとめれば完成です。

このヒーターは単純な構造であり壊れるところもないくらいですが、二枚のプレートが密着していないとちゃんと発熱しないので、クリップできちんと押さえつけることが大事です。

手の早い人は低温用だと物足りないかもしれないので、高温用を使うといいかもしれません。
高温用は100均では売ってませんが、それでも800円くらいで買えますので、電気捻にくらべれば安いことには変わりません。


*なお、グルーガンを分解してPTCヒーターを取り出すことや、ふち捻に活用することは本来の使用方法ではありません。 あくまでも自己責任でおねがいいたします。